もともとフィリピンでは、違法薬物に対する刑罰は極めて厳しく、特に密売や製造は終身刑の可能性が高い。だから、薬物に対する感覚は割と日本と近いのかもしれない。そんなフィリピンで、元大統領ドゥテルテ氏(Rodrigo Duterte)が逮捕されたというニュースがありました。
ちょうどセブに住む地元の方とこの元大統領について話していたこともあり、ここに残しておこうと思います。
元大統領の逮捕について
2025年3月7日、国際刑事裁判所(ICC)は、フィリピンの元大統領であるドゥテルテ氏(Rodrigo Duterte)に逮捕状を発行、2025年3月11日に逮捕となった件についてご存じでしょうか。
フィリピン国内の麻薬問題を解決することを目的として、ドゥテルテ氏は、警察や治安部隊を動員して麻薬密売人や麻薬使用者の取り締まりを行った。これが、かなり過激で、警察や自警団による「その場での処刑」が横行し、裁判を受けることなく殺害されるケースが多発。
国際刑事裁判所(ICC)は、この「麻薬撲滅戦争」において、数千人規模の超法規的殺害が行われたとして人道に対する罪でドゥテルテ氏を逮捕するにいたった。
簡単にまとめると、フィリピン国内で行われた「麻薬撲滅キャンペーン」が特に海外で批判を受け、今回逮捕に至ったという流れです。
ニュースと地元の人の声
実は、このニュースがでる数日前に私は、フィリピンの親戚がこの元大統領について話しているのを聞いていました。その人がいうには、「ドゥテルテ氏自身(かその家族)が違法薬物のビジネスを行っていて、そのライバルを減らすためにこの麻薬撲滅キャンペーンを行ったのだ」という。(あくまでも噂)
しかし、「これによって実際に犯罪が減ったし、治安もよくなった。」とも話しており、彼を支持する人も多くいるように感じた。
犯罪を減らすために犯罪組織1つを支援し、他の犯罪グループを潰す。そうすることによって、犯罪自体は減り、治安もよくなり、支援したグループは潤う。なんとまあ、外からみたらフェアじゃない、やり方が汚いと思うかもしれない。(実際は違うかもしれない。)でも、ある意味一つの手段でもあるような気もする。
おわりに
今回、ニュースと地元民の声の両方を聞くことができ感じたのは、ニュースをみた時に感じる印象と地元民の話から受ける印象は全然違っていたこと。もちろん地元民の声が正しいとかそういうことではないけれど、いろんな角度から物事をみるようにしなきゃいけないと改めて思わされた。
そして、何か変だと思ったら声をあげること。これがドゥテルテ氏逮捕に対するものかどうかは定かではないが、滞在しているセブ島では何度かデモが行われているのを目撃した。
今、いろんな国で(日本でも)、デモは行われているが、こういう政治に対して関心があるというアピールは絶対にしておくべきだと思う。
ということでいろいろ語りましたが、日本にいても海外にいても世の中の動きにはちゃんとアンテナをはって起きたいなと思います。ドゥテルテ氏の今後の展開は要チェックです。
そして、日本で今デモに参加している方、応援しています。
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