東南アジアを旅している国際カップルです。
今回は、シンガポールからクアラルンプールへバスで向かったその過程をお話しします。空路以外の移動手段を探している方や、バスで行った感想を知りたい方はぜひ読み進めてみてください。
陸路で行く理由
これは、はっきりいって「陸路で国境を越えるってなんかかっこいい」じゃないですか。日本は海に囲まれていて、他の国に行くには飛行機しかない。そんな日本では経験できないことをやってみたかった。それに限ります。
ただ、それだけではないです。(あくまでも付け足しの理由ですが。)
バスと飛行機|価格
飛行機でいくよりも断然安い。私たちが予約したバスは1人片道35SGD(4000円弱)。飛行機だと荷物の追加料金なんかもかかるので、1万円はするでしょう。
バスと飛行機|移動時間
そして移動時間。
バスの場合は何時に着くと明記されていませんでしたが、だいたい5〜6時間。(ちなみに私たちのバスは途中でアクシデントがあって大幅に遅れました。後で話します。)
飛行機で行く場合、フライト自体は1時間ちょいですが、空港までの移動や待ち時間、入国審査、預け荷物の引き取りなどを考えると、4〜5時間ぐらいはみておきたいところ。
移動時間がそこまで変わらないのなら、バスで行くのも全然アリじゃないでしょうか。
シンガポールとマレーシアはかなり近い!
後で詳しくお話ししますが、シンガポールのバスターミナルからマレーシアへ国境を越えるまでは本当にすぐです。シンガポールに住む知り合いは家から車で20分もいけば国境を越えられると話してくれました。それくらい距離が近い2カ国。
この近さのためか、この2カ国を頻繁に行き来する現地の人も多いようです。シンガポールは物価が高いため、マレーシアで用事を済ませる人がいたり、平日はシンガポールで働き、土日はマレーシアの実家に帰るといった人がいたり。国境があってないようなこの2カ国。
文化も似ている
距離だけでなく文化もとても似ています。シンガポールにはマレー系、インド系、中国系の人々が住んでいますが、マレーシアも同様です。それぞれの料理、どちらの国の方がおいしいか食べ比べてみてはいかがでしょうか。
話はそれましたが、シンガポールからクアラルンプールへのバスでの移動に戻りましょう。では、ここからはチケットの買い方からマレーシア入国までの流れを私たちの経験を元に語らせていただきます。ぜひ、旅の参考にしてみてください。
バスのチケットの買い方
私たちは事前にオンラインでチケットを購入していました。
「StarMart Express」というバス会社を利用しました。チケットの買い方はここでは省略しますが、出発地と目的地、出発日、人数を入れるとバスの候補がたくさんでてきますので、希望の時間と座席を選び支払いを済ませれば完了です。
購入後にメールが届きますので、ブックマークなどつけて当日すぐに見つかるようにしておきましょう。
バスの出発地を確認
確認メールに添付されているPDFから「Departure Point(出発地)」をチェックして、Googleマップに保存しておくと当日焦らなくていいかと思います。
Golden Mile Tower|バスターミナルへ
バスターミナルへは30分前くらいに着いていれば問題ないかと思います。私たちは、出発地のGolden Mile Towerに1時間くらい前に着いたのですが、他の乗客はまだ誰も来ていませんでした。
バスの乗り場がどこなのかよくわからなかったので建物内の「StarMart Express」のオフィスで聞いてみると、建物の入り口の前にバスが来る事、出発の15分前にチケットを印刷するからもう一度来るようにと言われました。
出発時刻を少し過ぎたくらいにバスが到着。キャリーケースは自分たちでバスに詰め込み、チケットを見せて乗車しました。私たちのバスは満席ではありませんでしたが、それでもキャリーケースを入れるスペースが本当になくて大変でした。

また、車内は飲食が禁止だったので、食べ物は持ち込めませんでした。長時間の移動になるので、事前に食べておくことを強くおすすめします。
マレーシアデジタルアライバルカードの申請
マレーシアに入国する人は必ず申請が必要になります。
これは出国数日前にしてもいいですが、私のように忘れていた方はバスを待っている間に済ませてしまいましょう。簡単な質問1ページ分だけなので申請はすぐ完了します。シンガポール出国までに終わらせてください。
マレーシア通貨を用意しておく
長時間の移動で車内は飲食禁止というのはかなりきついんじゃないかと思うかもしれません。実は、マレーシア入国後、途中でトイレ兼昼食休憩があります。そこで軽く食事がとれるのであまり心配しないでください。
しかし、ここで気をつけたいのが現地通貨。すでにマレーシアに入国してしまっているので、シンガポールの通貨が使えません。目の前に食べ物があるのに買えないという悲しいことにならないためにも、出発前にマレーシア通貨を用意しておくことをおすすめします。
シンガポール出国
バスで国境を越える場合、2回バスから降りて手続きをしなくてはいけません。それが出国手続きと入国手続き。
シンガポールのバスターミナルを出発し、20分ほどで出国手続きに向かいます。社内でアナウンスが流れるので、貴重品とパスポートを持ってバスを出ます。人の流れについていき、シンガポール出国の手続きを行います。手続き自体は全自動で行うので本当に一瞬でした。
手続きが完了したら、それまで乗っていた同じバスに乗り、今度はマレーシアの国境へと向かいます。
シンガポールとマレーシアは、橋を渡って国境を超えます。10分もしないですぐマレーシアに着いてしまいます。

マレーシア入国
橋を渡ったら、今度はマレーシア入国の手続きのために再びバスを降ります。降りる前に、次に乗るバスのナンバーをしっかりと聞いておいてください。というのは、入国手続き後にクアラルンプールへ向かうバスは、これまで乗っていたのとは違うバスになるため。(日本とは違ってかなり雑なので、わからなかったら誰かに聞くか、同じバスに乗っている人についていきましょう。)
今回は、入国手続きとなるため荷物を全て持って、入国審査に向かいます。飛行機と比べると、陸路の荷物検査はかなり簡略化されていました。流れ作業のように荷物をベルトコンベアに置き、チェックが済むと、そのまま荷物を持って、最終目的地であるクアラルンプールへと向かうバスへ乗車します。
ここまでで、この度の3分の1が終わったところかと思います。距離的にはあまり進んでいませんが、出国手続きと入国手続きの2つのアクションを挟むのでちょっと時間がかかります。
休憩について
私たちが乗ったバスは、入国手続きの後、クアラルンプールまでの移動の間に一度だけ休憩時間がありました。そこでトイレを済ませたり、屋台がちらほら並んでいるので食事を取ったりすることができました。
車内が飲食禁止だったため、とても助かりました。ただ、マレーシア通貨がないと買い物ができないので、シンガポール出国前に現金を手に入れておくことをおすすめします。
ということで、休憩含めて3回(休憩・出国手続き・入国手続き)バスを降りたり乗ったりしながら進むこと約7時間で無事クアラルンプールに到着しました。
かなりきつい移動になるかと思いましたが、意外と快適でした。ということで、こんなバスの旅をぜひやってみたいという方の参考になればうれしいです。
おまけ|道の真ん中でバスが立ち往生
私たちは、予定よりもおそらく2時間ほど長かったと思いますが、その理由が「エンスト」でした。
シンガポールのGardens by the Bayを通過したあたりで、エアコンが消え、さらにエンジン音が聞こえなくなりました。なんのアナウンスもないまま、ど真ん中の車線にバスが止まり、30分。
痺れを切らした隣のおじさんがバス会社に電話をし、状況を説明しろと伝えた直後、車内に「エンジンが止まった。別のバスに乗り換えるからちょっとまってくれ。」というアナウンスが流れました。
さらに待つこと30分。おそらく次の便だったバスが到着。車道のど真ん中で自分たちのキャリーケースを引き上げ、それぞれ違うバスに移動。

そんなハプニングもあって、私たちは、午前9時にシンガポールを出発し、クアラルンプールには午後4時ごろに到着しました。約7時間の旅。
あの時は本当にどうなるのか、このまま自力で別の方法を探さなくてはいけないのかと焦ったりしたが、無事違うバスに乗れてよかったです。
ということで、おそらく日本では経験できないようなこんなバス会社の対応も、安全が確保されていない環境も、大幅な遅れも、振り返ってみればおもしろいエピソードになりました。
バスの移動は、正直心と時間に余裕がある人の方がおすすめではありますが、海外でしか体験できないことをやりたいという冒険家の方にはぜひ試して欲しいと思います。
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