東南アジアを旅している国際カップルです。東南アジアには、ベトナムのエッグコーヒーを始め、日本やヨーロッパではあまり飲まれていないスタイルのコーヒーがたくさんあります。今回は、シンガポールやマレーシアで飲まれるコーヒーについて紹介します。
味の特徴
まず味ですが、基本的には甘いです。
マレーシアやシンガポールでよく飲まれているコーヒーは、布製のフィルターにコーヒー豆を淹れ、お湯にくぐらせる(というより、漬けている感じ?)という方法で淹れられます。そのためかなり味が濃いのが特徴。
また、豆も深煎りされており、苦味やコクが強いです。
この濃くて苦味やコクのあるコーヒーに甘いコンデンスミルクやお砂糖を入れるのが基本のスタイルです。ただし、飲み方はいろいろと選ぶことができるようになっています。
マレーシアのコーヒーの歴史
マレーシアにコーヒーが伝わったのは、1882年。マラッカ王国(1402-1511)が衰退し、ヨーロッパ勢力によって植民地にされていたこの時代に、セロイン(現在のスリランカ)から持ち込まれました。また、現在も主に東南アジアで生産されているリベリア産コーヒー(*リベリカ種)は1887年に導入されました。
政府の政策もあって、大規模な農園が開設されましたが、その所有者はヨーロッパ人だったようです。マレーシアのコーヒー産業は1900年をピークにコーヒー価格の下落などで衰退し、現在はあまり重要な作物とはされておりません。
*リベリカ種は、三大原種の一つで、主に東南アジアで栽培されていますが、その割合はかなり少ないため、とても貴重なコーヒーと言われています。
ちなみにクアラルンプールでこの貴重なリベリカ種のコーヒー豆が買えるお店を紹介している記事もあります。ぜひ併せてチェックしてみてください。
プラナカン文化とコーヒー
味の特徴でお話しした独自の淹れ方や飲み方は、ニョニャ文化(中国系移民と現地マレー女性の子孫によって生まれた独自の文化)によるものだと言われています。そのためか現地スタイルのコーヒーが飲めるお店は、漢字表記が多く、中国系の方がやっているところが多い印象です。
ニョニャ文化(またはプラナカン文化ともいいます)は、マレーシアやシンガポールの文化を語る上で不可欠な要素といえるでしょう。コーヒーを飲みながら、こういった歴史や背景を知るのも、味わい方の一つではないかなと思います。
コーヒーの種類
現地でコーヒーは「Kopi」と書きます。日本語をローマ字で書いたような表記でおもしろいですよね。ある意味「Coffee」よりも分かりやすかったりして。ただ「Kopi」の後に「Kopi O」や「Kopi C」といった謎の文字が・・・。自分に合ったコーヒーを選ぶためにも、ぜひこの文字の意味を知っておきましょう。
Kopi | コンデンスミルク+砂糖 |
Kopi O | 砂糖(*無糖のミルクがある場合もあり) |
Kopi C | 無糖のミルク(Evaporated milk)+砂糖 |
Kopi O Kosong | 砂糖なし |
Kopi C Kosong | 砂糖なし、無糖ミルクのみ |
Kosongをつけることで、砂糖をなしにすることができます。ただし、豆をローストする段階で砂糖やマーガリンが入っているため、全く甘みゼロというわけではないようです。

ちなみに私は、Kopi Cが一番好きです。自分のお気に入りを見つけてみてください。

白珈琲(White Coffee)
マレーシアの北部にあるIpoh(イポー)という場所が発祥といわれているのが、この白珈琲。マーガリンと一緒にローストされているので、コクがあって、飲みやすいです。これも普通に注文するとかなり甘く作ってくれますが、砂糖なしにしてもらうこともできます。ちなみに砂糖なしの白珈琲は、ホットチョコレートのようなトロっとした舌触りでよりコクのある味になります。(フィリピンで飲んだホットチョコレートのsikwate(ビサヤ語でシクワテ)を思い出しました。)
コーヒーが飲める場所の調べ方
ローカルなコーヒーを飲みたいなら、Googleで調べる時は、「Kopi」や「kopitiam(コピティアム)」、「Kafe」と検索しましょう。(英語で「Coffee」や「Cafe」と調べると、普通のコーヒーも候補に出てきてしまいます。)
マレーシアでよく私が行ったローカルチェーンは、「Bungkus Kaw Kaw」や「Oriental Kopi」といいます。ショッピングモール内でよく見かけます。
シンガポールは、伽耶(かや)トーストで有名な「Ya Kun Kaya Toast」というお店によく行きました。こちらもチェーン店なので、国内どこでも見かけます。
チェーン店も抑えつつ、ぜひローカルなところも探してみてください。
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